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なぜ髪の毛は伸びる


(1)毛髪の生え方
毛髪構造一本の毛髪の皮膚の表面に
出た部分を毛幹部と言い
皮膚の中に埋もれている
部分を毛根部と言います。
毛根は毛包という鞘状の
ものに包まれていて
毛髪はこの中を伸びて
皮膚表面に現れ出て
外へ外へと押し出されて
伸び続けていきます。
毛包の下の部分は玉ねぎ状に
ふくらんでおりこの部分を毛球と言います。
この毛球の末端はろうそくの炎の形のように凹んでいて
毛乳頭を包んでいます。
毛球と毛乳頭がかみあったような形になっており
毛乳頭には毛母細胞を養う血管が分布していて
毛髪の発育に大切な役割を担っています。
ここでケラチンという硬い蛋白質をつくり
このケラチン蛋白質がどんどん作られると毛母細胞は
大きく成長し、分裂を繰り返して押し出す様に
毛髪を作って送りだしています。

 成長期にある毛髪が目に見えて成長することから
分かるように毛球部の毛母細胞は、体を作っている細胞の中でも
生活力が活発な細胞で、毛球の下二分の一の部分で絶えず
分裂・増殖を続け、毛髪本体と毛根鞘を作り、
しだいに上に押し上げられ、水分を失って角化を行いながら
各層への分化が始まります。
 
毛髪をつくる細胞は毛球の中心あたりから分裂し
毛の色を作る色素細胞(メラノサイト)の作ったメラニン色素を
取り込みながら角化を進めて毛髪を成長させていきます。
 健康な毛髪が作られるには、毛包、毛乳頭が存在すること
栄養状態が良好で血行も順調であり、アミノ酸やビタミン
ミネラルが十分に送られてくること、蛋白合成酵素が存在して
その働きに必要な自律神経やホルモンに異常がないことなど
これらすべてが毛髪の健康にとっては必要なものということになります。
毛髪の成長は毛先が伸びるのではなく、血液が運んでくる
栄養分によって毛根部の毛乳頭で細胞が分裂して毛が作られ
外へ外へと押し出されて伸びていくもので、頭骨の発達やその他の
事情により血管が圧迫されて血行が悪くなると
毛の成長が阻害されてしまいます。
 
毛髪の成長のための栄養は、血液中の栄養からとるのが基本原則で
そのため不規則な食事や偏食に注意し、常にバランスのとれた栄養を
豊富に毛乳頭に送り込むようにすることが大切であると言えます。

(2)毛周期と脱毛 → ヘアサイクル
毛サイクル
人間の頭髪は
生えてから同じ物が
一生伸び続けるのではなく
一定期間成長した
後に自然に抜け
またしばらくすると
同じ所から同じ様な
毛が生えてきて
全体としては
毛量は一定しています。
この生え変わりの現象を
毛周期(ヘアサイクル)と言い
このヘアサイクルは年齢
性等によって多少違い
女性は4〜6年
男性は3〜5年の成長期を続け
平均すると約5年の成長期を持っています。
 
日本人の頭髪は約10万本生えていますが
これが5年で抜け変わっていますので
計算すると一日約55本となり
この数が一応正常な抜け毛の数と数えることができます。
この抜け毛の数は健康状態、栄養状態、年齢
季節などとも関係があり、個人や性によって
サイクルが異なるので、3年の成長期で91本
6年で46本ということになり
この範囲が正常ということで
抜けた毛が正常な脱毛根であれば問題ありませんが
異常脱毛根の場合は
数は少なくても要注意ということになります。

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